NPO法人レジリエンスさん監修の
「Teamその子」の
上映会に参加してきました!
「DIDって何?」
「解離性同一性障害って
多重人格のこと?」
「解離ってどんな感じ?」
そう思う方にぜひ見ていただきたい
とても良い作品でしたので
その魅力をまとめさせていただきます!
※以下、若干のネタバレを含んでいます
※個人的な見解を含んでいます
あらすじ
あらすじは
解離性同一性障害(多重人格障害)を
周囲に隠し日常生活を送る、その子。
その子を守るために内部の人格達が
それぞれバラバラにおこなった行動が、
周囲との摩擦を生み、
その子を追いつめてしまう。
人格たちとの葛藤と理解、
そして和解の物語
-「Teamその子」公式サイトより-
というストーリーです
主人公のその子は
穏やかで大人しい性格ですが
彼女にはこの他に
真面目でしっかりものの「しっかり」
計算高く色っぽい 「セクシー」
論理派で正義感強めの「イラチ」
幼くて天真爛漫の「ちぃ」
の4人の他人格が
中心として存在しており
主人格と他人格は
■記憶の共有:不可
■声でのやりとり:可
というシステムの設定になっています
(DIDの症状は様々で、
主人格と他人格のやりとりが
一切できないシステムの場合もあります)
なぜDID・解離が起こるのか?
これについては
別途まとめようかと思いますが
簡単に説明すると
現実が耐え難くなった時の
自己防衛
として起こります。
そのため
DID当事者の方の多くは
幼少期のトラウマ体験や
虐待・性暴力などを受けてきた方が多く
人口の1〜3%が
DID当事者というデータもあると
トークショーの中で学びました
100人に1〜3人はいるという
実は身近なDID…
そんな今作品の主人公のその子も
幼少期に性被害を受けてきた
サバイバーの1人です
DIDの生きづらさを感じられる
DIDの方には
DIDならではの
様々な生きづらさがあります。
良かれと思って
他人格がした行動を
その子は覚えておらず
「なんであんなことしたんだ」
と咎められ
人間関係が破綻してしまったり
パワハラの現場に居合わせた時に
「なんで何もしないんだよ」
「うるさいよ」
「黙ってればいいじゃん」等と
頭の中で
他人格たちの声が
互いに言い合う声が聞こえたり…
作中では
その子が他人格たちと
コミニュケーションを図りながら
共存していく様子が
描かれていますが、
監修をされていた
レジリエンスの中島さんが
「現実はこんなにうまくいかない」
とトークショーで話されていたのも
とても印象的でした
作品を通して
DIDとしての生きづらさや葛藤が
良い意味で生々しく感じられました
他人格=「主人格のために」生きている
作品の中で
印象に残ったもののうちの
一つが
他人格が
主人格のために
生きようとしている姿
でした
ぱっと見
統率が取れていない
他人格たちなのですが
論理的で
正義感の強いイラチは
「その子が言うべきことを
ちゃんと言えないから
俺が代わりに言ってやってるんだ」と
その子の代わりに表に出て
パワハラを止めようとしたり
男性とのコミニュケーションに長けている
セクシーは
「主任に気に入られないと
仕事をクビになるかもしれない」と考え
その子の代わりに表に出て
主任に媚びを売り
その子がクビにならないように
立ち回ったり…
その子が
苦しみに直面するたびに
他人格の方々が表に出て
問題を打開しようとする姿に
解離とは
精神疾患の一症状なのではなく
生き延びるための方法なのだなと
感じさせられました
特に作中後半にあった
主任を前にした時の
その子とセクシーのやり取りは
胸を打たれるものがありました…
「DIDだからこそ」の展開
「なるほどあの展開は
DIDあるあるなのか!」
と感じられたシーンが
多々あったことも
とても良かったです
何気ない会話の中で
人格交代が起こることによる
微妙な違和感や
(冒頭の靴下のくだり…)
その子が
解離していくシーンの描写
(映像や音響の演出から
イメージが湧きやすかった…)
パワハラを前にして
イラチが表に出てきた時の
人格の変わる姿や
主任を前にした時の
その子のセクシーの
脳内でのやり取りなど
「DIDの方の生活って
こんな感じなんだなぁ」という
DIDならではの日常の温度を
実感として感じられました
私は普段
依存症支援の分野にいるので
「アルコールに問題がある」という切り口で
その子がカウンセリングを受けている
という設定にも
とてもリアルさを感じました
(アルコール依存症の本は
発見できなかったので
次に見る機会に探してみたい…!)
映画学校の卒業制作として
今回監督をされた
友塚結仁さんは
1年間映画の学校に通われ
卒業制作として
Teamその子を作成されたそうです。
レジリエンスのメンバーとして
20年間活動をされてきながら
伝えたいことを伝えるために
学ぶべきことを学ばれ
発信されている姿に
「人は幾つになっても
やろうとする心さえあれば
何だってできるのだな」
と勇気をもらいました
私も
キリスト教福音宣教会の仲間と一緒に
「オヤビンとコブン-社会問題に向き合う-」
というYouTubeアニメ作品を
作らせてもらっていますが
友塚さんのように
「DIDの生きづらさを知ってほしい」
という思いを持って
作っているところが重なり
とても嬉しくなりました。
トークショーで
手作りした映画だから
レジリエンスメンバーの
中島さんや西山さんも
ノーギャラで出演して…
という話題も出ていましたが
オヤビンとコブンも
原作者の麦わらさんや私が
キャラクターの声を録音したり
作曲をしたり等
完全手作り制作をしているので
そうしたところでも共感ができ
心が温まりました🌼
(あと編集ソフトが
同じPremiereProだったのも
なんだか嬉しかった…!)
「DIDを知りたい」と思う方に見てほしい作品
この作品のタイトルになっている
「Team」という言葉…
トークショーでも話されていましたが
普段職場で
DID当事者の方と関わっている私にも
とてもしっくりきて好きな表現です
赤の他人としての別人格が
沢山いるわけではなく、
その人自身が生き延びる術として
解離(他人格)が生まれ
彼らがチームとして
主人格を支えて生きている…
その生き方が
映画のタイトルに表されていると思います
(作中のラストシーンの演出から
それをとても強く感じて感動しました…)
「DIDって何?」
「多重人格ってどんな感じなの?」
「どんな生きづらさや困ることがあるの?」
と感じている方にぜひ見ていただき
少しでもDIDや解離について
知ってくださる方が増えたら良いなと思います
トークショーの中でも
お話がありましたが
1人でも多くの方が
この生きづらさについて
知ってくださることが
より良い社会を作っていく
第一歩になると
私自身もとても感じています
Teamその子は
全国で上映されていますので
ぜひお近くで公演がある時には
足を運んでみてください!
私も近郊での再上映があれば
また見に行きたいなぁと思っています(^^)
詳しくはこちら!
素敵な作品を
ありがとうございました!✨