「ADHDとASDの違いって?」
「カサンドラ症候群って何?」
「ヤングケアラーって最近聞くけど…」
そうした様々な
精神疾患や社会問題などの
心の問題にフォーカスしている
『リエゾン-こどものこころ診療所-』
社会問題系のマンガの中で
最もリアル且つ学びが深く
心に深く突き刺さるこの漫画は私の
最推し作品なのですが…
今日はこの作品の
レポをしていきます!
あらすじ
主人公は
児童精神科の研修医の
遠野志保。
遅刻や忘れ物が日常の彼女は
見かねた研修担当医から
系列の児童精神科
「佐山クリニック」に
飛ばされてしまいます
クリニックに居たのは
児童精神科医の
佐山卓。
志保は彼と共に
クリニックに訪れる人々の持つ
「生きづらさ」に関わりながら
児童精神科医としても
人としても成長していく…
そんな物語です*
リアルな描写×マンガらしい展開が◎!
リエゾンは
児童精神科医の方の監修や
様々な病院や施設への取材、
医療や福祉の専門書など
多くの専門家の方々が
関わっている作品です
(巻末には毎回
多くの参考文献と
参考論文が記載されています)
それ故に
日常を切り取ってきた
かのようなリアルな描写
×
マンガらしい魅せる展開
この2つが
とても美しく合わせて
描かれていて
ストーリーとしても
面白く引き込まれ感動するのに
同時に専門的な知識も学べる
とても魅力的な構成になっています
特に
当事者にしか分からないような
苦しみ、葛藤
悲しみ、悩みなどの
心の描写がとても丁寧で…
母親を事故で亡くしたけれども
発達障がい(ASD)があることで
その理解が受け止めが
定型の子のようにはいかず
葛藤し苦悩する
親子の姿や…
(少女が受け入れいく過程が
丁寧且つあまりに共感でき
胸がいっぱいになった話でした…)
「友達に気に入られたい」
という思いから
摂食障害になったけれども
それを否認し
受け入れられない少女と
彼女が受け入れられるまで
“待つ”主人公たちの姿や…
(依存症支援をしながら
この姿勢は本当に必要だと
実感している私…)
近所の親子に
良くしてもらっていた
児童自立支援施設入所中で
一時帰宅していた非行少年が
過去の非行歴を知った
親子からの言葉を受け
自分の被虐待の日々を思い出し
気持ちが溢れ出してしまう姿や…
(この話は読んでいて
本当に本当に心が辛くなった…)
読むたびに
キャラクターの気持ちが
突き刺さるように感じられ
深く考えさせられ
胸がいっぱいになることが
とても多いです…
主要キャラ=当事者&深堀りが丁寧
ストーリー構成と同じく
魅力を感じるのが
主人公格のキャラクターたちが
「生きづらさ」を抱えた当事者
であり
そのキャラの深堀りが
とても丁寧なところです
主人公の児童精神科研修医の
遠野志保は
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の
当事者であり
ネグレクトを受けてきた
虐待サバイバーでもあります
普段は明るく元気で
おっちょこちょいな姿ですが
生きづらさを抱えた子ども達に
真剣に正直に向き合う姿もあります
児童精神科医の
佐山卓は
ASD(自閉症スペクトラム症)の
当事者であり
複雑な家庭環境の中で育った
背景を持っています
児童精神科医として
的確に落ち着いて関わる
一面もあれば
触覚に過敏故に
毛量の多い犬への
恐怖心が強いなど
人間らしい姿も描かれています
佐山クリニックの
受付をしている
市川渚は
シングルマザーで
普段は
息子のケンちゃんに対する
親バカ全開なママですが
近所に住む
親が帰ってこない非行少年の家に
自ら出かけ
一緒に過ごしてあげようとする
思いやりや優しさも持っています
佐山クリニックで
臨床心理士として働く
向山和樹は
ヤングケアラーとしての
過去を持っており
ポーカーフェイスで
冷静な彼女も
ケンちゃんの寝顔には
思わず笑顔に…
主人公たちも
様々な「生きづらさ」を
抱えているからこそ
ストーリーの中で
具体的な生きづらさを知れ
生きづらさの中でも
もがいて生きる姿を
垣間見られ
より一層生きづらさへの
理解が深まる作品です
(個人的には
向山和樹さんが好きです…
出来るクール女性に弱い私…)
思わず笑えるシーン+意味深シーンも満載
深刻なストーリーだけでなく
思わず「クスッ」と笑えるような
シーンもしっかりあるのも
オススメなポイント!
志保と
子ども達とのやりとりや…
(私も看護学生時代、
小児実習でガチお医者さんごっこして
楽しかった記憶があるww)
車の免許を取るために
ゲーセンで
レースゲームをしている最中
大事故を起こしたり…ww
…その一方で
意味深なシーンもあり…
それに合わせて
何やら医者一族の
佐山先生一家には
様々な複雑な事情がありそう…
その意味深シーン達が
作品の魅力をより一層
引き立たせています!
「全ての人が読めば社会が変わる」と思える作品
精神疾患や社会問題は
内容が重く
「きちんと学びたい!」と
専門書などで学ぼうと思っても
状況や気持ち的に
限界を感じやすいと思います。
しかしこの作品を読めば
専門的な知識は勿論、
当事者の葛藤や苦悩、
人生の背景など
多くのものを得ることができます。
何よりも
主人公たちの温かな姿勢に
心が溶かされ
「もっと人を愛したい」
と思える心が自然と芽生えてきます。
多くの人たちが
この作品を通して
様々な心の問題を抱えた方々の
生きづらさを感じられるのであれば
社会はもっと
良くなるのではないか…
そう感じさせる
心の温まる作品です🌼
是非興味のある方は読んでみてください✨
P.S. リエゾンは2023年に
テレビ朝日でドラマ化もしました!
実家に全話撮溜しているのですが
まだ見切れていません…苦笑
見られる日を楽しみにして…!!!