キリスト教福音宣教会(CGM)
通称「摂理」の創設者
チョンミョンソク(鄭明析)牧師(JMS)は
摂理の女性信徒1万人に対して
レイプ・強姦・性的暴行を行なったと
韓国メディアは報道しています。
「そのニュースって本当?」
「実は摂理の中で
レイプや性暴力が
横行してたりするんじゃ…」
そのように思う方も
いるかもしれません。
今回は
幼少期の性被害当事者であり
SANE(性暴力被害者支援看護職)資格と
性暴力加害者支援と関わりのある私が
Netflix「すべては神のために」を
全て視聴した上で、
専門家としての見解をまとめました。
※以下
性暴力やPTSD等に関する記述がありますので
負担の生じる可能性のある方は
閲覧を避けることをお勧めします。
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見解の根拠は 全部で『7個』
検証をした結果
①レイプが起こる文化が
摂理には無い
②被害者数に見合う数の
後遺症者が存在しない
③性的グルーミングを
行なっていない可能性
④音声ファイルの
改ざん・編集の可能性
⑤警察側の虚偽公文書・
証拠の削除…管理が杜撰
⑥Netflix動画の加害性の強さ
⑦スタントマンを
「実際の被害者」と偽り出演
合計7個の結果が出てきました。
順番に解説していきます。
根拠①レイプが起こる文化が 摂理には無い
「男尊女卑」文化がレイプを起こす
性的暴行が起こる背景には
「男尊女卑」文化が根深くあります。
「え?男尊女卑?」
「今はもう男女平等の時代でしょ?」
と思われるかもしれません。
では
みなさんにお聞きします。
スポーツの試合中
男性プレイヤーに対して
「頑張れ!男だろ!」
と鼓舞し
女性プレイヤーに対しては
「頑張れ!女だろ!」
と鼓舞しないのは何故でしょうか?
「気持ちや力が弱々しい」ことを
「男々しい」ではなく
「女々しい」と表現し
「勝気な女性」のことを
「女勝り」ではなく
「男勝り」と表現するのは
何故でしょうか?
これは
日本の文化の中に
■男性=強者、勝利
■女性=弱者、虐げられる
という
「男尊女卑」の文化が
根付いているからこそ
生まれた言葉と言えます。
2000人以上の
性加害者治療に携わってきた
精神保健福祉士の方は
このように話しています。
性暴力には
女性に対する支配欲や優越感、
男尊女卑的な価値観と
地続きになっている
「認知の歪み」が潜んでいると
思われます。
参考:斎藤章佳「セックス依存症」,幻冬舎,2020年11月,p2
つまり
性的暴行とは
『弱い女性を虐げることで
自分は「強い男性だ」と
実感したい』
という
男尊女卑を土台にした
認知の歪みによって起こるのです。
(実際、性加害者の
90%以上が男性という
研究結果も出ています)
「男尊女卑」文化の指標とは?
摂理内で
レイプが横行しているなら
当然「男尊女卑」文化も
存在しているはずです。
男尊女卑を推し量れる指標として
ジェンダーギャップ指数
があり
①経済面
(管理職・技術職の男女比等)
②政治面
(国会議員の男女比等)
③教育面
(義務教育就学率の男女比等)
④健康面
(健康寿命の男女比等)
参考:内閣府「男女共同参画に関する国際的な指数」より
この4点から
ジェンダーギャップ指数は
割り出されます。
つまり
男尊女卑(ジェンダーギャップ)
=女性のリーダーが少ない
=男性と女性でできる仕事に差がある
=男性と女性で教育内容に差がある
このような状況がある時に
「男尊女卑」文化が存在する
と解釈ができます。
摂理に「男尊女卑」文化はあるのか?
では摂理には
「リーダーは男性ばかり」や
「これは男性だけの仕事、
女性は禁止」等の
男尊女卑文化は
あるのでしょうか?
日本における
キリスト教福音宣教会の
牧師等の指導者の男女比は
男性:女性≒3~4:6~7であり
日本は
海外のキリスト教福音宣教会と比べると
男性指導者が多いという話も
聞いたことがあります。
男性だけが
独り占めしている教会使命も
存在せず
聖歌隊も
礼拝の配信係も
子ども達と関わる人も
カメラマンも
摂理はすべての仕事が
男女混合です。
私自身の
摂理での仕事も
カメラマンや映像編集など
俗に言う
「男性的」な仕事が
多かったです。
これらの仕事をするにあたって
「あなたは女性だからダメ!」
と止められることは
一切ありませんでした。
まとめると
■性暴力の背景には
「男尊女卑」文化がある
➡摂理には女性指導者が多く
性別役割分業も存在しない
➡摂理には「男尊女卑」文化は
存在しない
このことから
摂理には
性暴力が起こりやすい土壌が
存在していないことが
分かります。
根拠②被害者数に見合う数の 後遺症者が存在しない
レイプ被害は 自然災害より10倍PTSDを発症しやすい
性暴力は別名
「魂の殺人」と呼ばれることを
ご存じでしょうか?
外傷的出来事の種類 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
レイプ | 65.0% | 45.9% |
自然災害、火事 | 3.7% | 5.4% |
生命的危機を伴う事故 | 6.3% | 8.8% |
目撃(傷害、殺人現場) | 6.4% | 7.5% |
上記のデータからも
分かるように
性的暴行は
地震や津波等に被災した時に比べ
10倍 PTSD
(心的外傷後ストレス障害)を
発症しやすく
解離性同一性障害
(DID 二重・多重人格、解離)等の
後遺症が強く残りやすいです。
性的暴行の一つである
盗撮や痴漢は
1秒間あれば犯行できる
性暴力ですので
性被害から20年近く経った
私自身も
不特定多数と距離が近くなる
都心の人混みや満員電車が
いまだにとても怖く苦手です。
つまり
摂理内でレイプが横行し
ニュース通り鄭明析牧師が
女性信徒1万人に性的暴行を
加えていたのであれば
摂理内は
後遺症を患う信徒が
後を絶たなくなるはずです。
摂理に後遺症罹患者は多くいるのか?
では摂理内には
PTSD罹患者や
解離を持った信徒で
溢れているのでしょうか?
性被害は専門家の間で
「1回だとしても多すぎる」
と言われる程
後遺症が重たく、
PTSDや解離は
教会活動は勿論のこと、
仕事もできず
日常生活を送ることも
難しい程
深い傷を心身に残します
(依存症支援の現場で
痛感していることの1つです)
もし摂理内で
レイプが横行しているのなら
摂理は性被害による
後遺症罹患者が多発し
組織として
運営できなくなることが
推測できます。
しかし
現在の摂理は
組織として
問題なく運営されており
教会内の活動だけでなく
地域でのボランティア活動等の
教会外での活動も
幅広く行っています
教会外活動の様子はこちら
私自身、専門資格者として
摂理内で性暴力被害の相談を
受けたことはありますが
どの相談も
摂理に来る前に受けた
性被害でした
教会での活動を見ていても
活動中にフラッシュバックを
起こしたり
解離が起こって
別人格が出てくる等の
症状を起こした信徒を
私は見たことがありませんし
そのような信徒が多くいれば
摂理は
組織として成り立たず
自然消滅しているのでは
ないでしょうか。
まとめると
■性被害者は
後遺症を発症しやすく
重症化・慢性化しやすい
➡報道されている被害人数に見合う
PTSDや解離罹患者が
摂理内に存在しない
➡後遺症に伴う
組織破綻が起こっていない
(むしろ教会内外の活動が活発)
このことから
「女性信徒1万人を暴行」
という情報は
フェイクニュースである
可能性が極めて高いことが
分かります。
根拠③性的グルーミングを行なっていない
権力差のある性暴力で行なわれる「性的グルーミング」
性的グルーミングとは
性交等又は
わいせつな行為をする目的で
若年者を懐柔する行為
参考:法務省「性犯罪関係の法改正等」より
つまり
レイプを目的にした
信頼関係の構築
のことを言います。
例えば
教え子である生徒に対し
性的グルーミングを行なう場合
お前は優秀だから
特別に扱ってあげよう
このように生徒を
特別扱いして
信頼関係を作った後に
運動がよくできるようになる
マッサージをしてあげよう
と言い寄り
マッサージをしながら
性暴力に移行していく
被害者の生徒は
これは
マッサージなんだ!
という認識感であるため
性被害を自覚しないまま
被害を繰り返されるようになる
この一連の流れのことを
「性的グルーミング」と
呼びます。
性的グルーミングをする上で
加害者は
この行為は
性行為・性暴力ではない
と被害者側に認識させるために
性の知識や性行為について
教えないこと
を大切にします。
行なっていることが
「性暴力では?」と認識されれば、
被害者に抵抗される等の
加害者側の不利益な状況が
作られてしまうためです。
摂理に「性的グルーミング」はあったのか?
Netflix「全ては神のために」では
鄭明析牧師が
「健康診断をする」という名目で
レイプをする様子が描かれています。
「それなら
性的グルーミングを
していたんじゃ?」
と思うかもしれませんが
私個人の答えはNOです。
理由は2つあります。
理由①摂理では性行為への認識感を御言葉で学んでいる
上述したように
性加害者は
性行為への理解や知識を
嫌います。
しかし摂理では
また、不品行と
いろいろな汚れや貪欲などを、
聖徒にふさわしく、
あなたがたの間では、
口にすることさえ
してはならない
–エペソ人への手紙 5章3節-
と聖句にあるように
御言葉の中で
性行為への認識感を
学ぶ機会があります。
鄭明析牧師が
性行為への認識感を
教えているという事実は、
性的グルーミングを行なうどころか
むしろ性的グルーミングを
破綻させる行為であり、
逆に性暴力を
抑制・予防していると
解釈することができます。
理由②音声録音をしていた=性暴力の自覚があった
「でも教祖に
『健康診断だ』って言われたら
御言葉で学んでいても
受け入れてしまうのでは…?」
と思われるかもしれません。
後述しますが
告訴人は
鄭明析牧師からの
性的暴行の資料として
レイプ中の音声を提出しています。
もし彼女が
「これは性暴力ではなく
健康診断だ」
と本気で認識していたのであれば
なぜ
音声を採取する必要が
あったのでしょうか?
音声採取をした
=性暴力の自覚があり
訴える前提だった
と解釈する方が
自然ではないでしょうか?
後述しますが
この音声ファイルは
人工的に
改ざん・編集された
可能性があり
本当の証拠なのか分かりませんが
もし本当にレイプが行われ
録音されたものであるならば、
告訴人がNetflix動画内で語っていた
「性暴力だと思わなかった」
という趣旨の発言は
矛盾していることになります。
まとめると
■権力差のある性暴力では
性的グルーミングが行われやすい
➡摂理では御言葉で
性行為への認識を
学ぶ機会がある
➡告訴人は音声採取をしており
性暴力の自覚があったと解釈できる
このことから
性的グルーミングは
行なわれていなかった
可能性が高いと言えます。
根拠④音声ファイルの改ざん・編集の可能性がある
こちらは
下記の記事を見ていただくと
理解しやすいと思いますが
要約すると
■証拠としてレイプ中の
音声ファイルが提出された
➡韓国国立科学捜査研究院は
「これまで見たことがない
ファイル構造」と分析
➡台湾の有名な音声分析機関は
「多数回の
編集の痕跡がみられる」
との結論
つまり
提出された音声ファイルが
人工的に作成された
可能性がある
ということになります。
根拠⑤警察側の虚偽公文書・証拠の削除…管理が杜撰すぎる
こちらは
下記の記事を見ていただくと
理解しやすいと思いますが
簡単に説明するのであれば
警察が
確認していないにも関わらず
「証拠の音声ファイルが
被告人のiCloudに入っているのを
確認した」という
虚偽の公文書を作成
その後、3月下旬に
音声ファイルが
人工物である
可能性が浮上
4月に警察は
「今、音声ファイルは
手元に無い」
「iCloudの音声ファイルを
誤って削除したから」
と主張
しかしiCloudは
削除するまでに3回の操作行程があり
削除後1か月はゴミ箱から復元可能であり
意図的な削除の可能性が浮上
警察が
「音声ファイルの存在は
iCloudで確認していなかった」
と証言
まとめると
■警察が虚偽の公文書を作成した
■音声ファイルを
誤って削除したと供述
■実際の音声ファイルは
iCloud内に
確認されていなかった
このことから
唯一残っている音声ファイルが
人工物の可能性があるだけでなく
告訴人のスマートフォン内に
音声ファイルが録音されていたかも
不確かということになります。
根拠⑥Netflix動画は性加害性が強い
性被害を思い出す状況=トラウマの再体験に
性被害者の多くは
■性被害を思い出すようなこと
・被害時の話をする
・レイプの映像を見る
・レイプ現場と似たような
場所、人、状況に遭遇する
このようなことが
大きな心身の負荷になります。
これは
「トラウマの再体験」
と呼ばれるものであり
性被害者は
人間の防衛機能により
瞬間冷凍されて
心身に刻まれる
性被害を思い出す
状況に遭遇
過去のことなのに
被害時の感情や感覚が
生々しく思い出されてしまう
という
いわゆる
『フラッシュバック』を
引き起こす可能性が高いです。
そのため、性被害者は
■できるだけ
被害体験を話す機会を
少なくする
(司法面接の導入)
■再体験に繋がるような
状況や環境を避ける
という配慮や工夫が
必要になります。
Netflix動画は被害者への配慮をしているか?
Netflix「全ては神のために」の内容は
こちらのYouTubeシリーズから
ある程度確認ができますが…
(日本語字幕にすると良いです)
性暴力被害経験者として
加害者性の強い映像
であることを感じました。
冒頭に
性暴力の描写があることの
アナウンスはされていましたが
■役者による
リアルな性暴力の再現シーンを
繰り返し描写
■BGMや効果音
カラーグレーディング等を用いて
より過激的で過剰な
スキャンダラスな演出
をしていたため
視聴した後は
強い嫌悪感が生じてしまい、
食事がのどを
通りませんでした。
Netflix「全ては神のために」の
性加害性の強さは
韓国内でニュースにもなっています。
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まとめると
■トラウマの再体験予防は
被害者への配慮として重要
➡再現シーンが繰り返される等
被害者への配慮が無く
セカンドレイプ的で
加害性が強い映像
このことから
Netflix動画「私は神だ」は
被害者を擁護する作品ではなく
印象操作を第一に考えた
被害者への配慮に欠けた
映像作品であると感じられました。
根拠⑦スタントマンを「実際の被害者」と偽って出演させた
こちらは
下記の記事を見ていただくと
理解しやすいと思いますが
簡単に説明すると
ある役者の女性が
性被害者のスタントマンとして
・音声の変換
・「スタントマン」の表記
という条件の元に
Netflix動画に出演
完成映像内では
・そのままの音声
・「スタントマン」の表記無し
役者女性が
「話が違う」と抗議し
賠償金を求める
という状況がありました。
まとめると
■スタントマンを
本人の同意なく
「実際の被害者」と偽って
Netflix動画に出演させた
このことから
Netflix動画を
レイプの証拠とするには
信憑性が乏しいことが
分かります。
検証結果のまとめ
以上の私の検証結果を
再度まとめてみます。
性暴力は無い と 考える根拠 | ①レイプが起こる文化が 摂理には無い ②被害者数に見合う数の 後遺症者が存在しない ③性的グルーミングを 行なっていない可能性 ④音声ファイルの 改ざん・編集の可能性 ⑤警察側の虚偽公文書・ 証拠の削除…管理が杜撰 ⑥Netflix動画の加害性の強さ ⑦スタントマンを 「実際の被害者」と偽り出演 |
以上のことから
私は摂理内に
性暴力は
存在していない
と判断しています。
覆われているもので
現されないものはなく、
隠されているもので
知られずに済むものはない
-ルカによる福音書12章2節-
性被害当事者として
性被害支援専門職として
摂理信徒として
必ず真実が明るみに出ることを
信じ、祈っています。
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